50歳からの建築

50歳から通信制大学で建築を学びはじめた記録を綴ります

「紙残し」の手法について考えてみました

スチレンボードを用いた建築模型の製作では、2枚のスチレンボードを直角に組み合わせるとき、接合面をきれいに見せるため、紙残しという技法を使います*1

スチレンボードは薄い発泡スチロールの板の上下を紙で挟んで接着してあるものです。

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図1

厚みのあるボードを単に直角に貼り合わせると、スチレンボードの切り口が露出して非常に見た目が良くありません。

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図2 断面が剥き出しに

そこで組み合わせる2枚のボードのうち、1枚のボードの切り口を、上の紙の部分だけ残してボードの厚みだけ切り取って接合するという方法を使います。これが「紙残し」です。

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図3 あらかじめボードの厚みの分だけ、上の部品のスチレン部分を切除しておく

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図4 接合面がすっきりとした直線となり、継ぎ目が目立たなくなる

このような状態にするには、上の紙にカッターの刃が届かないようにして垂直に刃を入れ、下の紙とスチレン部分をそぎ落とす方法が一般的なようです。


光栄堂 スチレンボード紙1枚残しのやり方

この方法で問題なく出来たよ、って方も多いと思いますが、筆者の場合はスチレン部分がきれいにそぎ落とせなかったり、上の紙まで刃が入ってしまったりと、なかなかうまくいきません。

そこで別の方法を考えてみました。

上の紙の部分とスチレンとの接着部分に先に刃を入れておいて、それから垂直に切れば上のような失敗が減るのでは?と考えました。

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やってみたところ、あらかじめ紙とスチレン部分を分離する事で、垂直に刃を入れたとき、カッターの刃が上の紙に届いた感じが指先に伝わってくるので、上の紙を切ってしまう事が無くなり、スチレンと紙をそぎ落とす手間もなくなって、きれいに分離できるようになりました。

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カッターの刃を差し込んで上の紙とスチレン部分を分離しているところ。 うっすらカッターの刃の先が紙の裏から透けて見えるのがおわかり頂けるでしょうか。 ※筆者は左利きなので左から入れています。

少なくとも筆者の場合はこの方法で効率が上がりました。

なお、今回の場合、下の写真のように、たまたま課題で用いる2mm厚のスチレンボードと使用しているカッターの軸の厚みが合っていたので、すんなり紙とスチレンを分離出来ましたが、他の厚みのスチレンボードを加工するときは、使用するボードの厚みに併せて専用の治具を作ると良いかもしれません。

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お役に立てば幸いです。

※文中にありますように筆者は左利きです。左利きの人には左右どちらの向きにも刃をセットできるNTカッターの下記商品がおすすめです。

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*1:留め仕口ともいうそうです