スチレンボードを用いた建築模型の製作では、2枚のスチレンボードを直角に組み合わせるとき、接合面をきれいに見せるため、紙残しという技法を使います*1。
スチレンボードは薄い発泡スチロールの板の上下を紙で挟んで接着してあるものです。
厚みのあるボードを単に直角に貼り合わせると、スチレンボードの切り口が露出して非常に見た目が良くありません。
そこで組み合わせる2枚のボードのうち、1枚のボードの切り口を、上の紙の部分だけ残してボードの厚みだけ切り取って接合するという方法を使います。これが「紙残し」です。
このような状態にするには、上の紙にカッターの刃が届かないようにして垂直に刃を入れ、下の紙とスチレン部分をそぎ落とす方法が一般的なようです。
この方法で問題なく出来たよ、って方も多いと思いますが、筆者の場合はスチレン部分がきれいにそぎ落とせなかったり、上の紙まで刃が入ってしまったりと、なかなかうまくいきません。
そこで別の方法を考えてみました。
上の紙の部分とスチレンとの接着部分に先に刃を入れておいて、それから垂直に切れば上のような失敗が減るのでは?と考えました。
やってみたところ、あらかじめ紙とスチレン部分を分離する事で、垂直に刃を入れたとき、カッターの刃が上の紙に届いた感じが指先に伝わってくるので、上の紙を切ってしまう事が無くなり、スチレンと紙をそぎ落とす手間もなくなって、きれいに分離できるようになりました。
少なくとも筆者の場合はこの方法で効率が上がりました。
なお、今回の場合、下の写真のように、たまたま課題で用いる2mm厚のスチレンボードと使用しているカッターの軸の厚みが合っていたので、すんなり紙とスチレンを分離出来ましたが、他の厚みのスチレンボードを加工するときは、使用するボードの厚みに併せて専用の治具を作ると良いかもしれません。
お役に立てば幸いです。
※文中にありますように筆者は左利きです。左利きの人には左右どちらの向きにも刃をセットできるNTカッターの下記商品がおすすめです。
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*1:留め仕口ともいうそうです